民芸みやぎ

宮城県民藝協会からの折々の便り
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子どもたちに伝えたい民藝こんなこと −2−


随筆むすび −2−
子どもたちに伝えたい民藝こんなこと



及川 陽一郎
おいかわ・よういちろう/仙台生まれ。
1998年光原社へ入社。盛岡本店で1年
間勤務の後、仙台店へ。漆器、ざる篭、
やきもの好き。光原社 仙台支店長

 


毎朝コーヒー豆を挽きながら、
今日はどのカップにしようかと考える。


深煎りの苦みのあるコーヒーには、スキッとした白磁のカップ。
酸味のある軽めの香りには土もののカップと、
コーヒーの味わいや
その時々の気分に合わせて、ゆっくり楽しむ。



仕事から戻れば、
今夜はどのお猪口にしようかと考える。
さらりとした飲み口の酒なら厚みのある土ものの猪口、
濃厚な酒にはガラスや白磁など。


自分にとって日々の喜びは、そんなところにある。


そんなのただの好みだろう、という人がいるかもしれない。
学生のころ、友人とプラモデルの出来を話していたとき
「ものの善し悪しは、個人の好みの問題だ」
という友人の言葉に、
いや違うと思ったが言い返せなかった。


そのとき、
たしか柳宗悦が「美しさ」の基準について書いていたな
と頭に浮かんだ。


『民藝四十年』から読み始め、
半年のうちに文庫で出ている著書すべてを読んだ。
おもしろかった。
繰り返し5、6回は読んだと思う。


日本には「渋い」という美しさの基準があるということに、
なるほどと感動した。


日本民藝館の展示替えごとに、
アパートから足を運んでは、渋いものに見入った。


光原社で働き始めてからは、
少しずつ気に入ったものを求めてきた。
コレクションではなく、日々使うものとして。


感動を覚えるものを身のまわりに置き、使って楽しめる。
特別な場所に行かなくても、
ふだんの暮らしで「日々幸せ」を感じられる。


その民藝の良さを、伝えていきたいと思っています。

 

 

及川陽一郎さんからのご紹介
次号ご執筆者は……井上幸子さん


陽一郎さんより
長く協会で活動されていらっしゃいます。
季節を感じられる美しいお手紙や裂織のご趣味など、
日々を楽しんでおられるのが伝わってきます。
民藝の深いお話を伺えるのではないかと楽しみです。









 

| 随筆むすび  子どもたちに伝えたい民藝こんなこと | 16:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
子どもたちに伝えたい民藝こんなこと −1−


随筆むすび −1−
子どもたちに伝えたい民藝こんなこと



松尾 恵美
まつお・えみ/若林区在住。家族は夫・
小4の長女・幼稚園の次女。勤めさせ
ていただいた「光原社」にて民藝と出会
う。特に好きなのは漆器・焼き物。下戸
なので酒器の類は飾って眺めるだけ。



わが家にある物は、大きく2つのグループに分かれています。
毎日のように使い暮らしに欠かせない道具と、
持っているだけ眺めているだけでうれしいというもの。

どちらも心をときめかせて手に入れたものですが、
使ってみたら手になじまなかったとか、うまく使いこなせなかったとかで、
自然にそうなってしまいました。

その中で、震災以降、
「見て満足」から「毎日使うもの」にかわったのが
小鹿田(おんた)焼きの水甕(みずがめ)です。



実際には水甕というほどの大物ではなく、
睡蓮鉢(すいれんばち)かなにかとして作られたような、
底が土に埋められるように細くなっていて口が大きく開いているもの。

ポリタンクよりはとお風呂の残り水をくみためるようにしたのですが、
とても便利なのです。
ジョウロにくんで水やりに、打ち水に、
子どもらの土遊びにと大活躍です。

水道と違っておしまいが見えるので
子どもも加減しいしい使っているようです。
この甕を見ると子どもたちが花に水をやっている姿や、
柄杓(ひしゃく)を振り回して楽しげに水まきしている姿が浮かんできます。

伝えたいことは、
こういったものを大事に使う
普段の暮らしを大切に、
ということでしょうか。

粗末に扱えば割れる、壊れる。
でも大事に使えば
手にも暮らしにもなじんで美しさを添えてくれるから。

いつか子どものころを振り返った時、
思い出の端々に浮かんでくれるといいなと思います。

何が伝わったのかは、
成長した彼女たちの暮らしぶりがみせてくれるかなと、
母のひそかな楽しみです。




松尾恵美さんからのご紹介

次号ご執筆者は……及川陽一郎さん
 
松尾さんより
光原社で働いているとき、
欠けた陶器や漆器を漆で直して事務所に飾る姿が印象的で、
いたわっているなと感じていました。  
普段の暮らしで使われている道具にも興味があります。










| 随筆むすび  子どもたちに伝えたい民藝こんなこと | 17:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
子どもたちに伝えたい民藝こんなこと はじめに


はじめに


会員から会員へつながっていくリレーエッセイ
随筆むすび
「子どもたちに伝えたい民藝こんなこと」
をはじめます。

一人ひとりの暮らしぶりから垣間見える想いが
これからの民藝を考えるうえで
なんらかの気づきになるかもしれません。









| 随筆むすび  子どもたちに伝えたい民藝こんなこと | 16:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
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